小堀球美子のひとりごと

罪について

先日土曜日に、日中テレビを見ていたら、BSで放送されたドラマの再放送をしていました。「逆転の夏」という横山秀夫原作のドラマです。
主人公は佐藤浩市が演じたのですが、エリートサラリーマンであった主人公が、ある女子高生の誘惑に負け、関係を持ってしまったことで、女子高生から恐喝された結果、女子高生を殺してしまいます。受刑中に妻は主人公の子を産みますが、主人公とは離婚し、主人公は出所後罪の意識にさいなまれながら、地道に働き、妻と子に送金することを励みとして生きています。そんなある日、主人公のもとに、同じように女子高生と関係を持ち、強迫されていると名乗る男から電話がきて、相手を殺して欲しいと依頼され、主人公の口座には多額のお金が振り込まれます。最初は、拒絶していた主人公ですが、妻子を楽にしてあげたいという思いから、だんだんと誘惑に駆られていきます・・・。
佐藤浩市が、罪に悩み、暗い日常を暮らし、別れた妻子に送金することだけに生き甲斐を感じている男の内面を見事に表現していて、見応えがありました。
誰しも、日常生活上、自分の罪を感じることがあります。その思いの暗さ・・・。真っ暗な地獄の深淵を覗くような、胃の中で重たい液体が沈んでいくような、そんな思い・・・。罪を意識しながら、生きていかなければならない人間の宿命に悩み、自分の罪とどう向き合うかが、実は、生きることの本当の意味なのではないかとすら思えるのです。
それは苦しい行程なのでしょう。おもしろおかしく日常を過ごしていること、それこそが仮の姿で、照らされない部分が本質かもしれないとも思うのです。

2008-12-24|タグ:

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