小堀球美子のひとりごと
裁判所と警察権
掲題のようなことを題目に書くと、法廷警察権のこと、と思う方が法曹には多いでしょう。
法廷警察権とは、平たく言うと法廷内で騒ぐ人とかを裁判官が退廷命令を出して、それに従って控える裁判所の強面が強制的に退出させるなどの裁判所の権利です。
過去に私が次の事件の代理人で、私がサークルの中に入って出頭カードに書いているときに、法廷警察権が行使されて、てんわやんわ、私もつまみ出されたことがありました。物理的にサークル内にいた人を全員外へ出すしかなくて、警備の人に悪かったところはないのだけれど、物々しい雰囲気の中へ、おめでたく私が気がつかず入っていったのが悪かったかと思います。
今日は地方のちっちゃな裁判所に出かけて、1階でタクシーを待っていたら、一人の紳士が血相を変えて駐車場から入ってきて、裁判所の職員に「駐車場でぶつけてしまった」などと訴えていました。裁判所の職員がそれこそてんわやんわで集まってきて(おそらく裁判官以外全員)、わいのわいのしていました。
結局は裁判所が警察に連絡してパトカーが来ていました。
へえ、おもしろい、裁判所って平気で警察呼んじゃうんだ。まあ、裁判所は権力といえど、もちろん捜査できるわけでもないし、よく考えたら権力の後方支援みたいな立場だからね。できることは事後救済だし。
もっと現場にいて観察したかったけど、次の尋問の予定があるから早々に引き揚げました。非日常の事件を扱う裁判所の「非日常」を垣間見てたいへん面白うございました。
2024-09-03|タグ: