小堀球美子のひとりごと

信頼について

私の愛読書「壬生義士伝」で主人公のことを新撰組の三番隊長斉藤一が語る場面があります。
斉藤は、新撰組から別れた御陵衛士に近藤土方に間者として送り込まれます。御陵衛士は斉藤の剣を頼みとして一員として迎えます。
斉藤は、近藤土方のもくろみ通り、間者としても役目を見事に務め、役目が終わったときには、連絡役をつとめた自分の女に別れを告げ、女は首をくくって死にます。
斉藤は語ります。
?おなごのことばかりではないぞ。わしが喪うたものは、それこそ計り知れなかった。
?わしを信じた者たちが、わしの剣を恃みとして者たちが往生したさまを、伝え聞いたわしの気持ちは誰にも分かりはすまい。
このとき、斉藤の喪ったのは、女のほかに信頼ではなかったかと思うのです。人の信頼を失うことは非常な喪失感があり、深い悲しみに陥れられます。それは反面、信頼を裏切られた人に、非常な悲しみと憤りを覚えさせるからです。
私の得ている信頼などはかわいいものでありましょうが、それを失わない努力をしていきたいと思います。

2010-01-29|タグ:

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