相続について相談事例

遺産の使い込みについて

事例1 遺産は、不動産のほか、預貯金であるが、相続人の一人である兄が相続開始前後預金を取り崩して得ている。

まず、遺言の効力を争うか決めます。遺言の無効を主張するなら、遺言無効確認請求の訴えを地裁に提起し、遺言の無効を主張しないなら、遺留分減殺請求を考えます。
遺言が公正証書であるときには、遺言を無効にするのは、相当困難であると考えてください。 遺留分減殺請求は、裁判外でも行えますが、相手が争うときには、調停や裁判を起こす必要があります。

事例2自遺産分割で兄弟どおしでは法定相続分で分けることには合意できています。今後、もめないとも思うのですが、どうですか。

法定相続分で分けようと合意できていても、相続人の一人による預金の取り崩し、があったり、遺産の評価でもめたり、特別受益や寄与分で合意できないときがあります。いずれの場合でも、法的にどのような主張が通用するか、どのような証拠を出せばいいのか、的確な判断が必要です。

事例1と事例2について、一口に調停と言っても、その遂行には、様々な法的判断が求められます。たとえば、遺産に漏れがあると、紛争が再燃されることもあります。遺産分割協議書や調停調書のまとめ方も、注意が必要です。やはり早い段階から弁護士に依頼することをお勧め致します。

遺言の効力について

事例1 母が遺言を書いて死亡しましたが、遺言では、すべての遺産を兄に相続させるとしています。私は、何を請求できるでしょうか。

まず、遺言の効力を争うか決めます。遺言の無効を主張するなら、遺言無効確認請求の訴えを地裁に提起し、遺言の無効を主張しないなら、遺留分減殺請求を考えます。
遺言が公正証書であるときには、遺言を無効にするのは、相当困難であると考えてください。 遺留分減殺請求は、裁判外でも行えますが、相手が争うときには、調停や裁判を起こす必要があります。

事例2自筆証書遺言がありますが、母が書いたものでないと思っています。遺言の効力を争いたいのですが。

自筆証書でも、遺言の形式が整っていれば、それに基づき、不動産の登記や預貯金の名義変更、解約などが可能です。 遺言の筆跡を疑うなら、地裁での裁判で、筆跡鑑定を申し立てる必要があります。

事例1と事例2について、地裁での裁判を避けられない場合には、やはり早い段階から弁護士に依頼するのがベストです。なお、当事務所では、調停から裁判に至った場合でも、着手金は一律21万円で、二回に分けていただくことはありません。

遺産分割について

事例1 父の遺産は、父の自宅しかありません。その自宅は、父と兄の共有になっています。私は、ほかへお嫁に行きましたが、私にも自宅に権利があると聞きました。兄にどのような要求ができますか。

遺産が自宅のみで、それが法定相続人の一人と共有であるときには、その法定相続人が自宅をほしいと思うでしょう。あなたは、代償金をもらうことで、満足を得ます。自宅の評価をどうするか、同居の兄が父の遺産を使っていたなどの事情があるときにはそれへの対応が求められます。

事例2遺産分割で兄弟どおしでは法定相続分で分けることには合意できています。今後、もめないとも思うのですが、どうですか。

法定相続分で分けようと合意できていても、相続人の一人による預金の取り崩し、があったり、遺産の評価でもめたり、特別受益や寄与分で合意できないときがあります。いずれの場合でも、法的にどのような主張が通用するか、どのような証拠を出せばいいのか、的確な判断が必要です。

事例1と事例2について、一口に調停と言っても、その遂行には、様々な法的判断が求められます。たとえば、遺産に漏れがあると、紛争が再燃されることもあります。遺産分割協議書や調停調書のまとめ方も、注意が必要です。やはり早い段階から弁護士に依頼することをお勧め致します。

遺産分割調停について

事例1 きょうだいの間で、父の遺産分割の協議をしています。しかし、協議に不熱心な者もいて、話が進みません。今後、どのようにしたらいいでしょうか。

おたずねのような、協議に参加したがらない者がいるなどして遺産分割の協議がまとまらないときには、家裁で遺産分割調停を行うのがいいでしょう。協議に不熱心な者についても、その者が合意しなければ、調停はまとまりませんが、家裁では、書記官が出頭を促したり、場合によっては、専門職の家裁調査官がその者との連絡を工夫してくれて、話し合いが進むことがあります。その者が現実に家裁に来られなくても、その者の合意の書面をもらって、受諾調停を成立させることもあります。万一、全く協議できないときでも、調停を不成立として、審判で決めてくれますから、解決できないことはありません。

事例2きょうだいの一人が、遺産分割調停を申し立てましたが、私は病気がちで、家裁に出頭できません。どうすればいいですか。

家裁への現実の出頭が困難なときには、弁護士に依頼して、代理として調停に出てもらうことができます。離婚などの調停と違って、当事者本人が一回も出頭しなくても代理人が出頭すれば協議は可能です。

事例1と事例2について、家裁で当事者を代理できるのは、弁護士だけです。家裁での調停は、本人だけでも遂行できるよう、調停委員が工夫してくれますが、やはり、調停委員は中立の立場なので、限界があります。あなたの利益だけを守ってくれる弁護士は、あなたの心強い助っ人です。

相続放棄について

事例1 私が小さい頃、両親は離婚し、私は母に育てられました。父の顔は全く覚えていないほど、音信不通だったのですが、このたびその父が亡くなったと遠い親戚から連絡が来ました。すると、父の債権者を名乗る銀行から督促状が届きました。私はどのように対応したらいいでしょうか。

いくら音信不通としても、親子の縁は切れないので、あなたは相続人として債務を負うことになります。 相続したくないなら、相続放棄をする必要があります。
これには、相続開始を知った後3ヶ月以内に、被相続人の最後の住所を管轄する家庭裁判所に、相続放棄の申述をします。申述後、家裁から照会書が届きますので、それに答えれば、家裁で必要とされる調査ができたとして、相続放棄の申述が受理されます。3ヶ月以内に申述が受理されることが必要なので、時間的余裕をもって行う必要があります。

事例2父の遺産として不動産もあることが分かりました。それでも対応は変わりませんか。

プラスの財産がマイナスの財産より大きいなら、相続したほうがいい場合もあるでしょう。そのときには、父の遺産の調査を行います。不動産なら名寄せ帳を取り寄せ、父の最後の住所地の金融機関を当たります。熟慮期間は3ヶ月なので、それ以上調査にかかるときには、熟慮期間の伸長を家裁に求めます。

事例3父の相続放棄をしようと考えていますが、とりあえず、父の所有するマンションの光熱費は払っておこうと思いますが、どうでしょうか

父存命中の光熱費の支払い義務は、父の相続債務です。これを勝手に払うと、「相続財産(の全部又は一部)を処分した」(民法921条1号)として、法定単純承認、つまり、相続を承認したとみなされてしまいます。相続人の財産に手を付けることは十分な注意が必要です。

事例1、事例2、事例3ともに、時間的制限があり、細かな判断が必要とされます。万全を期すため、弁護士に相談されることをお勧め致します。

ポイント1相続人について

相続人は以下をポイントとして洗い出しを行ってください。

※故人の除籍(戸籍)謄本を取り、そこから従前戸籍をたどって取り、相続人を確定していきます。
※上記の判断は専門的知識を要しますので、まずは弁護士にご相談ください。

ポイント2遺言書について

遺言には厳格な様式を求められます。民法は、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3つの方式を定めていて、いずれかの要件をみたさなければ、無効な遺言となります。
また、遺言により自分に遺産が遺されなかった相続人は、遺留分の減殺請求を行うことができます。

詳しくは「遺言相続とは」をご覧ください

ポイント3相続財産について

相続財産は以下をポイントとして洗い出しを行ってください。

不動産
固定資産納税通知書や権利証を確認。不動産が特定できたら、不動産登記簿謄本を取得する。
預貯金
通帳を探す。金融機関に残高証明の発行を求める。
金融商品
確定申告書控え等で確認する。金融機関に残高証明の発行を求める。

ポイント4遺産分割協議について

遺産分割協議前に、以下のことを確認する必要があります。

ポイント5相続放棄について

被相続人が債務(借金など)を残しているなどの理由で相続したくない場合は、相続人は自分の意思により相続を放棄することができます。ただし、3ヶ月以内に相続放棄の申述をしないと単純承認したとみなされますので注意が必要です。

相続の承認などについて詳しくは「相続の基礎知識」をご覧ください