小堀球美子のひとりごと

カモメについて

北の市場では、軒先まで並べられた新鮮な魚貝を前に、店員と客が価格の交渉をしています。札に書かれた値段は、実はお飾りで、交渉如何ではいくらにでもなるようで、店員のかけ声とこれに応じる客の声で、市場は、喧噪と熱気に包まれています。
少し喧噪から逃れて、市場沿いの幹線道路に出ると、カモメが二羽遊びに来ていました。どうやら、客がふるまう「えさ」が目当てのようです。
人間には慣れているようで、近づいて写真を撮っても、しらんぷりで市場の軒下を見つめています。
同じ頃、東京では、ニホンザルが町中に出没し、人々を驚かせているというニュースにも接しました。
人が、自然の中に人工的な施しの手を伸ばすことで、野生の生物の住む場所と人の住む場所の堺があいまいになっているようです。
カモメもニホンザルも、生きていくために人里に来ているのでしょうが、鋭く光るその目に、次第に気高さが失われていくことを憂うばかりです。
カモメ.JPG

2010-08-20|タグ:

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