小堀球美子の相続コラム

預金の引き出し行為

相続開始前後に、被相続人の預金を勝手に引き出していた人がいることは類型的な問題であると書いたことがあります。
何例もの事案を見ていて、本当に多いなあというのが実感です。
要するに、その引き出し行為をした人は、半分自分の預金という思いこみがあるものですから、多く起こりうるのです。ハードルが低く、余り罪悪感などなしに行ってしまいます。
相続開始後は、被相続人自身が下ろしたということはないので、比較的引き出し行為をした者を特定できますが、相続開始前瀕死の被相続人に黙って引き出したというようなときには、やっかいです。被相続人でなくその者の行為であるということを証明できるような証拠を収集しないと取り戻しが出来ません。被相続人はそのころ、病床にあったことを証明するために病院のカルテ等を入手することもあります。
引き出し行為をした者を特定できても、それは、入院費に使ったとか、生活費に使ったとか、何かと理由付けを行うものです。引き出した金額の大きさも、取り戻しが可能かに関わってきます。
このように引き出し行為をした者からお金を取り戻すのもやっかいです。このような行為を防ぐためにも、被相続人の能力いかんによっては、成年後見の申立ても考慮に入れるべきでしょう。

2010-04-21|タグ:

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