小堀球美子の相続コラム

「相続させる」遺言の意味

遺言で、法定相続人の一人にある遺産を取得させるとき、「●●に相続させる」と書かれるのが通例になっています。その意味はいかなるものか。
これは、不動産のとき、所有権移転登記にかかる登録免許税が安くすむ、単独での登記手続きが可能などの理由で、公証人がよく用いていた方式でした。ところが、よく考えてみると、この遺産を取得する時期がいつかなど解釈に委ねられる部分が多く、裁判でその意味が争われてきました。
結局、最高裁は、遺言者による遺産分割の方法の指定であり、かつ、相続開始と同時に相続させるとされた者が直ちに取得すると判断し、確定しました。
つまり、遺産分割方法の指定としながら、遺産分割協議は不要としたわけです。これによって、単独での登記手続きが可能という登記実務を最高裁が追認した格好で、遺言執行者からの登記手続きも不可ということになりました。
遺言実務で定着した「相続させる」遺言も、このような歴史があったのです。

2010-05-04|タグ:

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