小堀球美子の相続コラム

遺産に不動産がある場合

遺産に不動産がある場合、これを法定相続人の誰かが取得すると、その評価が問題になります。たとえば、預金が1000万円と不動産が遺産の時、兄弟二人でこれを分けるとなると、不動産がいくらかで、預金の分け方も異なってきます。不動産が3000万円なら、兄が不動産を取得するとして、弟に預金のほか1000万円の代償金を払うという分割が公平です。不動産が1000万円なら、兄は不動産を、弟は預金を取得するというような分割が考えられます。
不動産の評価は、正式には不動産鑑定士の鑑定によるしかないのですが、相続人全員が簡易な方法で評価することに合意するなら、それによってもかまいません。たとえば、路線価、相続税申告の際基準になる価格で、国税庁が毎年8月にその年の1月1日付けの評価を発表します。だいたい時価の8割くらい当たり、実勢価格に近いと言われています。たとえば、固定資産評価額、固定資産税の算出の基準になる価格で、市町村長が3年ごとに決定します。従来は時価よりかなり低いとされていましたが、バブル崩壊期以後は、時価と近くなっている傾向にあります。あとは、公示価格などもあります(都道府県知事が毎年7月1日の地価を発表し、それが公共事業の用地取得額の基準になったりします)。
最近の家裁の事例を見ると、一弁護士の所感としては、路線価が一番近いかなという感触です。
一方、不動産を相続人の誰も取得を希望しないときなどには、鑑定の手間を省き、公平を保つために、手続き中に相続人全員で売ってしまうことがあります。その売却代金をプールしておいて、現金として分ける。このときには、最低売却価格と期限を決めてしまって、覚書にしておくという手法が取られます。
遺産分割の現場では、様々な知恵を出し合って、不動産の価格を決めていきます。

2010-05-24|タグ:

年別に記事を探す

カテゴリー別に記事を探す