小堀球美子の相続コラム

紛争の予防?ケーススタディ??遺産である預金の取り崩し

何度もお話していることですが、遺産である預金が、相続開始前後、一人の法定相続人により、取り崩され、減少していたら。
相続開始前は、預金は被相続人に属しますので、被相続人に無断で引き出し行為がなされたなら、これは被相続人への不法行為として損害賠償請求の対象になります。言い方を変えれば、被相続人は、その者へ、不法行為による損害賠償請求をするか、不当利得による返還請求をするかできます。
そして、その後被相続人が死亡すると、それらの権利が、法定相続人に法定相続分に応じて、分割されて承継されます。
相続開始後は、預金は法定相続人に法定相続分に応じて分割承継されます。ですから、その一人が自分の法定相続分を超えて預金を取り崩したとき、これは不法行為ないし不当利得になりますから、ほかの法定相続人は、この者に、不法行為による損害賠償請求をするか、不当利得による返還請求をするかできます。
ですが、もし、この者が取り崩した預金を消費してしまって、ほかに見るべき財産がかなったら、損害賠償請求権も返還請求権も絵に描いた餅になってしまいます。
このような事態を予防できるでしょうか。
まず、相続開始後であれば、直ちに銀行へ連絡して口座を凍結する手続きをしなければなりません。被相続人の預金のありかが分らなければ、新聞に死亡の広告を出すことも検討しないといけません。
では、相続開始前は?このときは、この者の行為を阻止できるのは、被相続人だけですから、被相続人に通帳や印鑑キャッシュカード等を取り戻すよう進言するしかありません。もし、被相続人が、そのような能力がないときには、たとえば、身体能力は劣っていても知的能力は問題ないときには、被相続人と委任契約を結び、預金の管理を任せてもらって、この者の行為を阻止する、たとえば、知的能力も劣っているときには、成年後見の申立ても検討する、このような処置が必要です。
相続開始前は得てして、預金を取り崩すことを行っている者は、被相続人を事実上介助しているのが通常でしょうから、他の法定相続人がそれに入り込むことはなかなか難しいです。少なくとも、医師の診断書さえあれば、成年後見申立ては行えますので、あきらめずにこれを検討してください。。

2010-10-12|タグ:

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