小堀球美子の相続コラム

父と同居していた遺産である不動産にそのまま住み続けられますか?

亡くなった父と父の所有する不動産に居住してきた長男家族が、父の相続開始とともに、その不動産に住む権利を失ったとして、出て行かなければならないか?よくあるご質問なのですが、たいへん難しい問題をはらんでいます。
法定相続人が、長男の他、何人かのきょうだいである時、他の兄弟から見れば、兄だけそこに住み続けるのはおかしい、俺らにも権利がある、と考えるのも、その立場からするともっともに見えます。
他のきょうだいは、?父が死んだ以上、兄も実家から出ていくべき?少なくとも、家賃相当額を払うべき、と主張します。
?は明け渡し請求という形で具体化しますが、実は兄も共同相続人で不動産に持分の権利を持ちます。どっちが正しいのか?
結論は、兄が住み続けないことに同意したという事実を、きょうだいが立証しなければ、出て行ってくれと言えません。具体的には、きょうだいの一人が、その不動産を相続する協議がまとまり、兄の占有がきょうだいに移転したということでしょうか。
?は不当利得返還請求という形で具体化しますが、確かに兄がただで住むのは虫がいいともいえます。
結論は、分割協議がまとまるまでの間は、兄がそこに住むことが父の意思に沿うとして、そのままただで兄が借りる合意があるので、兄に家賃を請求できない、というのが最高裁の判例です。

2014-06-03|タグ:

年別に記事を探す

カテゴリー別に記事を探す