小堀球美子の相続コラム

使い込み があり 返還請求 後、 残った株式 を分けるのに、 遺産分割協議 が必要か?

使い込みについては、本来的に家裁での審判事項でなく、地裁で返還請求すべきとする訴訟事項であることは、何度かこのコラムでも述べました。
使い込みに関しての返還請求訴訟が終わって、特に相談されるのは、訴訟までした兄と決定的に決裂してしまった、つまり、もう何もつきあわない関係になってしまったというケースです。
遺産として株式が残っていて、これを分割しないとならない場合、兄と仲良く共同作業をすることができない!という相談です。
可分債権である普通預金などが残っていたときには、単独で法定相続分の割合の額を銀行に請求すればいいことも、このコラムで述べました。
では、株式はどうか、可分債権として単独で権利行使できるでしょうか。
確かに、配当を受ける権利などは、可分であるので、単独行使できるようにも見えます。しかし、最高裁は最近、これを否定する判決をしました(最高裁H26/2/25)。
理由は、株式には配当を受けるなどの自益権のほか、株主総会における議決権などのいわゆる共益権をも有するのであって、それは、不可分だということです。
地裁で返還請求をするにしても、訴訟が終わってからも問題になり得ることを予見して、早くから準備をする必要があります。

2014-08-18|タグ:

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