小堀球美子の相続コラム

相続債務について

故人がマンションを残して死亡したとき、マンションのローンがあったらどうなるでしょうか。
子供が数人いて、マンション経営をある一人が行うことで合意し、マンションをその一人が相続し、ローンも払っていく、ほかの相続財産は兄弟みんなで分けるという約束を兄弟間でしたとき、銀行は、もうほかの兄弟にローンの請求をできなくなるかと相談されたことがあります。
上記のような合意は兄弟間では有効です。マンションを相続した者が、マンションからの収益でローンも払っていけばよいとも思われます。
しかし、もしそのマンション経営がうまくいかなくなり、マンションを相続した一人がほかに資産もなかったとき、銀行は、大変不利益を被ることになります。
上記の合意は、銀行へは主張できません。銀行に対する関係では、他の兄弟も法定相続分で債務を負担します。
債務を相続したくないなら、相続放棄するしかありません。
そもそも、最高裁は、相続債務は、各共同相続人はその相続分に応じて、これを承継すると判断していますから上記のような結論になります。
一方、私が相談された事例で、相続人間で相続債務について何も合意していないうちに、事業資金を故人に貸した銀行が、家業を継ぐ者に相続債務を負わせたいとしている事例がありました。このとき、一人の相続人が銀行と債務を引き継ぐ契約をした場合には、債務者の変更という更改契約がなされたと見るべきでしょう。ほかの相続人も債務者でしたが、ほかの相続人の意思に反しなければ、ほかの債務者は債務から離脱します。

2009-11-28|タグ:

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