小堀球美子の相続コラム
20年 も前の父から長男への 贈与 は、 遺留分減殺の対象 になりますか。
20年前に父から長男へ土地を贈与されていることが、登記簿上明らか。
父は、長男に全遺産を遺すという遺言を書いた。他の相続人は何が言えますか。
そんな以前のものが遺留分減殺の対象になるか、半信半疑の方もいます。
遺留分算定の基礎となるのは、
(1)相続開始時に残っている遺産
(2)相続開始前一年間の贈与
(3)被相続人(父)と受遺者が遺留分権利者に損害を与えることを知ってなした贈与
(4)共同相続人に対する特別受益になる贈与
であることは、条文上明らかなのです。
問題は、
(1)(2)(3)が全くなく、贈与が(4)の特別受益であるとき。
(4)は遺留分算定の基礎なりながら、遺留分減殺の対象にならないのは、不公平として、最高裁は、(4)が遺留分減殺の対象になることを肯定しています。
つまり、20年前の父から長男への贈与も、遺留分減殺の対象になります。贈与が登記簿謄本上明らかなら、証明も比較的容易であると言えます。
2014-08-12|タグ: