小堀球美子の相続コラム

寄与分の主張

両親の老後の面倒を見た私には寄与分が認められるのではないですか。と主張する方がいます。
これには、両親の療養看護をしたケースと、両親の生活を扶養したケースがあると思います。
どちらでも、寄与分として認められるには、無償の寄与であり、特別の寄与でなければなりません。面倒を見るに対価をもらっていたり、通常の扶養の範囲内であるなら、寄与分は認められません。
療養看護型では、相続人が実際に療養看護を行ったり、ヘルパーなどを相続人の費用で雇ったりして、被相続人の財産が維持されたことが必要です。このとき、実際に療養看護した日数にたとえば付添婦を雇ったときに支出される平均報酬額をかけて計算します。ヘルパーなどを自分の費用で雇ったときにはその実費が寄与分になります。
扶養型では、たとえば、父母を兄弟4人で扶養すべきところ、長男が一手に扶養を引き受けた場合など。長男は本来的な扶養義務を超えて支出していますから、その超えた部分が寄与分になります。
親の面倒を見て財産をもらえるの?という意見の方もいますが、それは、特別の寄与でないといけないという歯止めで解消されるのではないでしょうか。

2010-05-27|タグ:

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