小堀球美子の相続コラム
生前の財産放棄
ある法律相談で、全く価値のない不動産を持っていて、固定資産税だけかかって困っているというご相談がありました。
民法は無主物が一時たりとも生じることを禁じていますから、売れない、もらってもらえない不動産でも自由に放棄したりはできないのです。
そうだとすれば、いずれ発生する相続で相続人に迷惑をかけたくないから、相続人が不動産を手放せる方法はないか。
相続開始前の相続放棄はできませんから、相続開始後に相続放棄をしてもらうことを検討すべきでしょう。推定法定相続人には、そのような不動産がるということを事前に知らせておくべきです。
しかし、問題は、ほかにも財産があって、相続放棄はできないという場合です。一部の遺産についての相続放棄もできませんから、基本的に相続人の誰かが、その不動産も引き取るしかありません。
その場合は、遺産分割協議に際し、将来の固定資産税など不動産の維持費を、他の相続人に見てもらう協議をするなど、手当が必要になります。
2010-07-27|タグ: