小堀球美子の相続コラム
8月19日相続コラムに関して
親Pと子Aが共にP所有不動産に居住していて、Pが亡くなったとき、Aは子BCから賃料相当額を請求はされないことを書きました。
では、Aが土地上(P死亡によりABC共有になっています。)に新しい建物を建てることは可能でしょうか。
建物建築は事実行為ですから、建物自体は建ちます。しかし、問題は、その建物に土地利用権があるかです。
BCとの共有が回避されず、BCが新建物の収去明渡しを求めたらどうなるでしょうか。
理屈では、BCの土地持分に対し、建物の利用権がなければ、建物は建つ基礎を失います。しかし、実質的に考えれば、たとえば、Aが残された母Wの世話をする目的で新建物を建て、それに対し、長年BCも異議を留めなかったという事情なら、BCとの間で使用貸借を観念してよいと思います。
実際の解決では、せっかく建った建物を壊すのは、社会経済上も不利益なので、Wの世話などの話しのない場合でも、新建物を残す方向で話しが進むと思います。代償金をBCに払って、Aが土地全体を取得する、あるいは、相当な土地利用料をBCに支払う合意をするとか。
8月19日コラム
2010-08-28|タグ: