小堀球美子の相続コラム

紛争の予防?ケーススタディ??私にこんな兄弟がいた

母が若い頃、結婚前に子を産んだがその子は遠い親戚に預けられて、その後母は結婚して子供を産んだ。最初の子Aと結婚してからの子Bも兄弟姉妹として互いに第三順位の相続人です。
Aが死亡して(Aの実の父も死亡、ABの母も死亡していたとします。Aには配偶者も子もいません)、自治体がAの親族関係を調べたところ、Bがいることが判明したとき。
Aの法定相続人は、Bのみということになります。ところが、Aには、実の父の姉つまりAの叔母というよき相談者がいました。叔母は施設に入っていました。
Aの遺産は預貯金と不動産。Aの意思を斟酌すれば、Aは一度も会ったことのないBよりも叔母に遺産を相続させたいと思っていたはずです。それでも、Bが相続放棄しなければ、叔母は財産分与に預かれません。(Bが相続放棄したなら、相続人不存在ということになり、相続財産管理人が選任され、相続財産管理人が相続人がいないことを確認したのち、特別縁故者として財産分与に名乗りを上げることができます。)
Aはどうすればよかったか。叔母に全遺産を相続させるという遺言を書いておけばよかったのです。兄弟姉妹には遺留分はありませんから、そうするだけで、叔母に遺産を残せます。
このような兄弟姉妹でも相続権があるのは、法の不完全性を示すものですが、そのため、民法は兄弟姉妹には、再代襲がない(兄弟姉妹が先に死亡していたとき、甥姪が代襲するが、甥姪の子は再代襲しない)のです。いわゆる「笑う相続人」を排除しているのです。

2010-10-21|タグ:

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