小堀球美子の相続コラム
「相続させる」遺言と特別受益
ある特定の遺産について、相続されるとしたとき、特別受益903条(特に2項)の規定の適用があるか。
最高裁は未だ判断していません。
相続させる遺言の法的性質を、遺産分割方法の指定でありながら、所有権は被相続人の死亡時に確定的に移転するとした香川判決(最高裁H3/4/19)は、「遺産分割の協議又は審判においては、当該遺産の承継を参酌して残余の遺産が分割される。」としています。
相続人は子AB。相続財産400万円、うち甲不動産300万円をAに相続させる。
特別受益の規定を適用する立場。
A400万円×1/2?300万円=?100万円。超過特別受益となるが、903条?により、戻す必要がない。
特別受益の規定を適用しない立場。つまり、「相続させる」遺言は遺産分割方法の指定とされたとき。
A甲不動産300万円取得。A法定相続分400万円×1/2=200万円を超えるので、Aは、Bに代償金100万円を支払うことになります。
2011-03-10|タグ: