小堀球美子の相続コラム
遺産の使い込みに対する抗弁(3)
被告が、被相続人の預金を取り崩したが、引き出しを依頼され、それをあなたに(またはその家族に)あげると言われたのでもらったと抗弁したとき。
この抗弁の時、使い道を説明する抗弁に比して、もらったものだから返さない、と言うのですから、被告の態度はよりかたくなです。早期の和解は難しく、証拠調べ(当事者尋問など)が行われる公算が高いです。
この場合は、裁判所は、贈与契約があったかの認定を行うのですが、親族間なので、贈与契約書など書面の裏付けがないことが多く、被相続人と引き出した人との関係、被相続人とその他の法定相続人との関係など、周辺事情で認定することになります。
そこで、原被告双方に、その点を主張させて、証拠調べしますが、やはり親族間の紛争なので、その後でも和解勧告がされることが多いです。
2013-04-03|タグ: