小堀球美子の相続コラム
遺産の使い込み(不当利得返還)について
相続開始前後に被相続人の遺産である預金などを勝手に引き出していた相続人が多いことは、折に触れて申し上げてきました。
この場合、本質的に遺産を分けることがらでないので、家裁でなく、地裁で返還請求をしないとなりません。
このとき、よく聞かれるのが、「勝ち目はありますか。」ということです。
民事訴訟は相手のあることで、相手がどんな証拠を持っているか分からないので、一概には勝敗の見通しを明確にすることはできません。
ただ、原告(訴える方)で、?預金の引き出し履歴が分かっていて、それが、事実上被告(訴えられる方)しかなしえない事柄であることが明確にでき(被相続人も施設に入っていた等でなしえない状況にあったなど)、?それが、生活費のねん出だろうと推察される程度に少額でなく、?引き出し行為が相当昔でない、という条件が整って入れば、金額の大きい少ないの程度の差異はあっても、たいていは戻ってくるというのが実感です。
いずれにしましても、家裁での遺産分割調停で、使われた方は、あきらめて不動産を分けるだけでよしとする踏ん切りをつけない限りは、話し合いの前提事項になるので、やらざるを得ない争いであるのが実際です。
2013-12-20|タグ: