小堀球美子の相続コラム
使い込みによる返還請求訴訟 を起こすのに、相手方の住む 遠方の裁判所 に申し立てないとならないのですか。
使い込みによる返還請求権は、不当利得返還請求権か、不法行為による損害賠償請求権かどちらかの構成で行われることになります。
いずれの債権も、債務者側からみれば、持参債務という債務です。これは、債権者の所在地へお金を持っていって弁済しないとならない債務ということです。
たとえば、東京在住のAさんが、大阪在住の弟Bさんに返還請求をするとき、Bさんは、返還金を東京で弁済しないと弁済の提供にならないのです。
そうすると、返還請求権の管轄は、義務履行地である東京に管轄があり、そこを管轄する東京地裁に訴え提起できるということになります。
もちろん、被告の住所地である大阪にも管轄はありますが、Aさんとしては、コストの低い、東京で訴えを起こせてその分有利です。
2015-01-26|タグ: