小堀球美子の相続コラム
使い込みと特別受益
使い込みがあって、地裁でその返還請求訴訟を行っていて、その中で被告がそれは贈与されたと主張したとき。
贈与を理由とする否認ですから、原告が贈与のなかったことを証明するべきですが、家族間の紛争ですので、紙の証拠がないことが往々です。
裁判所は、原告被告に間接する状況の主張をさせて、判断しますが、もしそこで、被告の贈与の主張が認定されて、その部分で原告の請求が退けられたら。
理屈では、贈与があった以上、それは特別受益になりうるので、持ち戻しの対象になります。
もし、他に不動産などの分けるべき遺産があったら、それについて遺産分割協議が必要で、そのとき贈与の額をいったん遺産に足して、相続分で割った額から贈与額を引いたのが、被告の取り分と言うことになります。
反対に、先に遺産分割が先行していて、被告が持ち戻したなら、原告があとで返還請求をするときにその部分も含めて請求することは困難になります。
2015-02-13|タグ: