小堀球美子の相続コラム
認知症 の母が亡くなった叔母(母の姉)の 相続放棄 をしたがっています。
認知症の方が相続放棄するには、自分では完全な意思能力を持たないことがあるために、成年後見の申立が必要です。あなたが、母のために、成年後見の申立を行い、成年後見人になって相続放棄してあげてください。
このとき、相続放棄の期間が差し迫っているとき。
無能力者の相続放棄期間は、その法定代理人すなわち、成年後見人が相続の開始を知ったときから進行します(民法第917条)。
ところが、成年後見の手続は実際に成年後見人選任の審判が出るまで、3ヶ月以上かかってしまいます。
成年後見人になるあなたは、相続開始を知っているのだから、3ヶ月の起算点はいつだろう、という疑問が沸きます。
つまり、叔母が1月1日になくなって、母とあなたがそれを2月1日に知って、成年後見の申立を3月1日に行って、6月1日に審判が出たと言うとき、2/1が起算点だと、成年後見人になった6/1以降に相続放棄をしても間に合わない!ということです。
こういう場合は、あなたが成年後見人に就職して、かつ、相続開始を知った時(つまり6/1)から3ヶ月以内に相続放棄をすればいいのです。
私の調べたところ、裁判例はありませんでしたが、通説的見解のようでした。
2015-04-11|タグ: