小堀球美子の相続コラム
使い込みの頻度
きょうだいが、父の生前、父の預金を勝手に下ろしていた疑いがあると相談に見えた方。
銀行の履歴をみると、5年前は、毎月年金が出るとなくなるまで、10万円とか20万円とか下ろしている。亡くなる直前は、定期預金を普通預金に入れたうえ、毎日のように限度額50万円一杯引き出している。。。。という状況。
使い込み事案の返還請求訴訟を扱っていると、年間200万円未満にとどまる使い込みは、本人が行った、本人に渡した、本人の必要経費に使ったと反論されてもさもありなん、という勘所です。
ただし、その当時の父の生活状況から、本人が使うはずもないし、必要経費はほかでまかなえたはずだ、ということが証明できれば、返ってくる可能性もあります。本当にケースバイケースで、父とそれを取り巻く家族の状況によるので、厳密に紙の証拠によらなくても、認定されることもあります。
じゃあ、どのくらいの頻度の使い込みなら提訴しても行けるのか?!とよく問われることがあるのですが、一番大事なのは、追求する意欲であって、そのために証明に向かって、証拠(紙の証拠だけではありません)を集める意欲なのだと思います。
2015-06-12|タグ: