小堀球美子の相続コラム
相続コラム‘ほっとぶれいく’実録!弁護士に依頼したら?!その2
YIさんは、母の葬儀の後、様子のおかしい姉のことで、相談に見えました。
姉が相続財産を明らかにしてくれないので、銀行の履歴を取ったところ、姉がほとんどの預金を下ろしていて、もう300万円ほどしか残っていないと言うこと。
私が姉に対して、使い道の照会をしたところ、姉からは、確かに下ろしたが、弟は生前に住宅資金として2000万円もらっていることを葬儀の時指摘したところ、残り300万円もらえればいいと言ったと回答が来ました。
結局双方代理人が就いて、訴訟手続に移行したところ、私はYIさんと協議しました。姉の言う事実を認めるか否か。
葬儀の時、姉のお金の返還義務を免除したか?つまり、YIさんが、自分に請求権があることを認識した上で、その支払いを免除したかが争点です。
YIさんがそう言ったかについては、直接の証拠がないものの、預金残高300万円はもらっていることが、姉の主張の間接的な証明にはなるのかな?
裁判では、私は、YIさんが免除した事実は否認しました。結果、姉が下ろした預金の使途を説明したうえで、裁判官から和解勧告が出ました。
結局、裁判官も、YIさんが免除の意思を示したことは証明がないとして、姉に使途の説明できない金額は返すべきと心証を示して、和解に至りました。
このように、裁判では、相手の主張に対する認否がたいへん大事になってきます。
2016-01-26|タグ: