小堀球美子の相続コラム
相続法改正、居住権
権限がなくても住み続けていると居住権なる権利が発生し、その者に明け渡しを求められない、半ば都市伝説のように言っている人がいましたが、その都市伝説が法律になりそうです。
今国会に相続法改正案が提出されます。
その中で、配偶者が遺言や遺産分割で、そのまま被相続人の建物に居住して良いという居住権が新設される見込みです。
文字通り住んでいていい権利なので、ほかへ譲渡したり、それ自体が相続の対象になるものでなく、一代限りの権利です。
たとえば、後妻さんが建物に住んでいて、先妻さんの子供が土地と建物を得たいというとき、後妻さんが生きている限り、住んでいられる権利です。
権利性を持つので、これまでの、遺産分割未了の間は被相続人も住んでいていいと思っていたはずという判例法理や、後妻さんに賃貸する形態より、後妻さんの保護に厚いのです。
夫が遺言を書くとき、この居住権についても念頭に置くことができるようになります。
2018-06-04|タグ: