小堀球美子の相続コラム
使い込み返還請求被告の答弁
使い込み返還請求訴訟は、不当利得とか損害賠償とかで請求されるとき、被告が、無断で、被相続人の預金を引き出し、使途不明な状態に置いた、ということを、全て原告が証明しないとなりません。
ですので、被告としては、もっともらしい使途を説明できれば負けることはありません。
医療費、生活費、介護の対価、贈与など。
しかし、全く被告として証明しないで言い訳ではありません。
平たく言うと、もっともらしい、裏付けは必要です。
ある事件で、原告代理人を務めたのですが、一審で大勝ちし、控訴審で半分に減らされたことがあります。
そのときの、高裁の判断が秀逸だったので、紹介します。
「預貯金の引き出しは取引履歴によって100パーセント捕捉される一方、生活費を厳密に捕捉することは困難。老親の介護に当たっている親族に過度な説明義務を課すことになる。領収証等を逐一保管していなかったために実情にそぐわない高額の不当利得返還義務を負わせることになる。」
2019-02-05|タグ: