小堀球美子の相続コラム
使い込み参考事例=Rさんの場合(相手方が、 不動産 は 長子承継 が原則だと言い張った事案)
Rさんの父の相続人は、長女であるRさんとその弟長男の二人。父は自宅を遺して死亡したが、実際に父を介護していた弟に2000万円の使い込みがあり、弟は自宅の取得も希望しました。
弟にも弁護士が就き、残っている不動産の帰趨も含めて交渉しましたが、弟は、家は長男が当然に承継するものだと、不動産の分割をかたくなに拒否していました。
家督制度でなく、個人主義の現民法下では、弟の主張は通らないことは言うまでもありません。
Rさんは使い込み金の返還を求めて提訴。
和解の段階で、Rさんは、領収証のある700万円は控除し、1300万円の半額と、不動産の時価1800万円の半額、合計1550万円を提示しました。
それに対して、弟の代理人が1000万円であれば説得できると言い、Rさんも、使い込みについて判決→強制執行→不動産について遺産分割調停(それぞれに上級審で審理の可能性もある)の手順を踏むよりは、早期解決を望んで、1000万円もらうことで和解しました。
2014-10-29|タグ: