小堀球美子のひとりごと
控訴審について
同業弁護士諸氏!!
地裁の裁判官に、まさかっと思う程度の金額の和解を勧められたり、この主張は取り下げてくれと言われたりしてへこんでいることはないか。しかし、憂鬱ながら控訴審に行くと、事実認定が全然違うという経験をしたことがないか。私は過去に10回くらいある。たぶん、私が扱う事件が事実認定が難しいことが多い傾向にあるからだと思う。
高裁の裁判官の言い方を総合すると、地裁で十分に主張させていなかったとか、「これ30万円で和解なんてさすがにないよね」、どうも一部裁判官には、めんどくさい主張整理とかは出来るだけしたくないという気持ちがあるらしい。でもそれでは控訴されますね。それで裁判官的にはいいのかな???
高裁でそういう経験をしたとき、地裁の裁判官に高裁の判決書などをファックスしてやりたいという衝動にかられたことはないか。私はある。
地裁の裁判官の中には、「単に一審裁判所の判断に過ぎないから」と謙遜している人もいる。
翻って家裁ってどうよ。
家裁だから、主張や立証が初めから十分ではないことはままある。切った貼ったの場面ではないので、こちらもそんなに準備していない。
最初は調停委員さんと和やかに話している訳よ。でも、調停委員さんは、最後に「評議」とやらをすると言って、裁判官と密談する(当事者は邪魔なんだって)。そうして、頼んでもいないのに、裁判官の「心証」とやらを開示しますと。いやいやちょっと待ってよ。全然揉んでいない争点を記録も読まないで御簾の後ろに隠れて判断して、「心証」とはなにごとか。おまけに、「心証」とやらに従わないで、こちらの主張を繰り返すとあからさまに嫌な顔をするんだよね。それ、抗告審で絶対に翻らないって100%言える?
本当は大いにやんごとなき方にモノを言いたいところだが、おいらは依頼者様のためにあるからさ、そこは自分を抑えてポーカーフェイスに徹しますよ。
したっけ、お客さんに解禁されるとき、おいらの物言いが激しくなることは、まま、ある。
2025-06-25|タグ: