小堀球美子のひとりごと
アリとキリギリスについて
昼夜を問わず労働にいそしんで、来る冬に備えていたアリを嗤って、バイオリンを弾いて歌を歌っていたキリギリスが、冬になって食べ物がなく、アリに食料を分けてもらおうとしたというイソップ童話があります。
時代が変わって、必ずしもキリギリスが負ける話ではなくなっているようです。
時短、リモート労働、オンライン会議、何か途中のステップを省略するかのような労働がもてはやされています。
現代は、バイオリンを弾き、歌を歌って過ごすかたわら、労働も効率的に行って、富を得ることが可能なようです。
これはおそらく、人間の道徳観を根底から揺さぶる大きな時代の変化なのだと思います。
ただ、人の労働を嗤って見下すかのような風潮は、何か大きな落とし穴が待っているはずだと、人の生き方にかすかな希望の火をもう一度見たいと私は思っているのです。
2020-06-29|タグ: