小堀球美子のひとりごと
再びトニオクレーゲル
何度か、トーマスマンのトニオクレーゲルという作品について書きましたが、忙しい日々にふと立ち止まって顧みるフレーズがあります。
トニオはハンス・ハンゼンを愛していて、すでに多くの悩みを彼のためになめて来たのである。最も多く愛する者は、常に敗者であり、常に悩まねばならぬ。
お客さんのことを思っても、必ず返ってくる訳ではない、従業員のことを思ってしても、理解されることもない。
そんなときにこのフレーズを思い出すのです。結局独りよがりなのかな。
新春の夕べ、そのことを小さく思い、大きく身震いをしました。
2022-01-20|タグ: