小堀球美子のひとりごと
寅と翼について
今日の朝ドラは、ヒロインが司法試験(高等試験)に合格するという場面を放送していました。ヒロインは、論文試験に通ったものの、口授試験の前に「月のもの」が来てしまい、ユーツな表情で口述試験を受けてそのあと涙をにじませていましたね。
私が司法試験を受けたときは、択一試験、論文試験、口述試験があって、やっぱり私も口述試験に「落ちた」と思って、泣きながら帰りました。民法の口述試験で、取得時効の「自主占有」とは何か聞かれて答えられなかった。
民法で失敗したらそれはダメだと思いますもの。
劇的に描けば、ヒロインはたいへん、と共感するけれど、実際は試験なんて試験に受かることだけを考えて思考は単純でしたから、生ぬるい悩みでした。
社会に出れば、もっとたいへん、事件の処理方法、お客さんとの関係、経営の効率化、従業員の生活、家族とのやりとり、弁護士会を含む各種団体での振る舞い、いろいろ、いろいろ。
複合的に多発的に各種問題が起こるので、それを併行して処理していくその能力と胆力が求められます。
まあ、20代後半のだたのおねーちゃんには、そんな能力があったはずもなく、ちょうどヒロインの母が言う「地獄の始まり」だったのでしょうね。
だからヒロインも合格したのに、それは思い描いていたのと違う風景でしたとナレーションもされていたことに、何かとても共感しました。
楽に生きている人なんかいないし、悩みのない人もいない。傷つかない人もいない。生きることの業ですね。
2024-05-09|タグ: