小堀球美子のひとりごと
山河について
杜甫は、「国破れて山河あり」と詠みました。今の宮城県の太平洋岸は、国は破れていないが、山河がない状態になっています。
国の秩序や日本人の拠り所となる日本の国は存在するけど、その基礎となる山や海は元の形を想像できないほどにずたずたにされてしまいました。
山河を失って、人間が再生できるのか。
多分その工程は想像を絶するほどに困難な道なのでしょう。元は陸地であり、建物や道路が形作られていた土地が、すでに海になってしまっているのです。
避難場所で笑顔で炊き出しを行う人、規模を縮小しながら卒業式を行う小学生中学生、早くも自宅付近の廃材を片付ける老人、公民館の片隅で小さな役場を開く役所職員、多くの報道に接していると、それでも生きる人の生命力が感じ取られて、震えそうな感動を覚えます。
2011-03-25|タグ: