小堀球美子のひとりごと
「トニオ」について
北杜夫氏が死去したとの報道に接しました。
どくとるマンボウシリーズでそのたぐいまれなユーモアに魅せられ、氏のマンボウシリーズから、純文学まで読んだものです。
個人的には、割り箸を集めて筏にして海を渡るなどという荒唐無稽な男を描いた「ぼくのおじさん」などおもしろく読みました。
また、氏はトーマスマンに影響を受けて文学を目指したという話から、私自身もトーマスマンを読むようになりました。
マンの作品で、一番好きなのが、「トニオクレーゲル」でしたが、氏もこの作品が好きで、「トニオ」からペンネームの杜夫を考案したと何かで読んだことがあります。
「トニオ」の死を、北風の吹く駅のホームで寂しく読みました。
2011-10-26|タグ: