小堀球美子のひとりごと
新郎について
当たり前のことですが、事件の処理に悩むことがあります。
理屈を通すべきか、情を重んずるべきか。
事件は相手のあることなので、相手を納得させる理屈がいる。でも、事件の当事者は生身の人間だ。
さあ、どうする。
学生の時、太宰治の「新郎」を読んだ。「はなむこ」と読みます。
本当にもう、このごろは、一日の義務は、そのまま一生の義務だと思って厳粛に努めなければならぬ。ごまかしては、いけないのだ。きたない打算は、やめるがよい。率直な行動には、悔いが無い。
そんなことが書いてあった。
そのように、毎日「はなむこ」のように生きよう、という締めくくりでした。
そのように事件処理を行おうと、いつも心に決めても、
いつも汚い打算が頭をもたげてきて、私はほとんど毎日、身もだえているのです。
2017-12-04|タグ: