小堀球美子のひとりごと
ぶんや、について
私が少しあこがれた職業に、「ぶんや」さんがあります。新聞記者さんですね。
ぶんやさんって、ちょっと崩れたエリートという感じで、優秀だけど(学歴もけっこう高いです)、モノを斜めに見てエリート街道から外れた文士という感じです。
昨日の、「いだてん」(NHK大河ドラマ)を見ていて、主人公のリレーを受けた田畑政治という主人公の新聞記者としての姿を描いていました。
思うとおりの崩れたエリートでたいへん好ましい描き方だと思いました。
ぶんやさんて、影響力は大きいけれど、権力を持たないと言う点で、力の発揮の仕方に限界のある職業です。井上靖のあすなろ物語の主人公も新聞記者で、明日は檜になろうと努力するけど結ばれない新聞記者の悲哀を表現していました。それを見て、新聞記者にあこがれを持ちました。
しかし、昨今は、「国民の知る権利に応じるのが新聞記者だ」と言って、エリート意識満載の空威張りの新聞記者が多いですね。なんだか、知る権利を空疎な構築物として言葉の上で転がす論調が多い気がします。
・・・と大正時代の新聞記者を昨日テレビで見ていて、思ってしまいました。
2019-07-01|タグ: