小堀球美子のひとりごと
トーマス・マンについて
学生時代、たくさん小説を読みました。最近、当時接した小説を読み返すことをやっています。今日手に取った古い小説は、トーマス・マンの「トニオ・クレーゲル」です。
確か、18歳のときに読んだと思います。「つまりこうだった、トニオはハンス・ハンゼンを愛していて、そのためにもうこれまで幾度か苦悩をなめてきたのである。最も多く愛する者は敗者である、そして苦しまなければならぬ?トニオの14歳の魂は、すでに人生からこの過酷な教訓を受け取っていた。」このフレーズがとても美しく映り、気に入って栞を挟んだものです。
年を重ねて、過酷な教訓の意味を知ったと思ったこともありましたが、最近では、そんなセンチメンタルもあまり感じないくらい、日々を過ごすこと、実践が大事になりました。
2009-11-25|タグ: