小堀球美子の相続コラム
遺産の使い込みに対する抗弁(2)
遺産の使い込みに対して、地裁で返還請求して、被告が、被相続人に頼まれて引き出した、包括的委任契約があった、などという抗弁を出したとき。
被告としては、頼まれたいきさつと、使い道の説明をします。
使い道は、それ自体合理性のあるものか、領収証等の裏付けがあるか、を中心として説明します。
この手の訴訟は、通常親族間で争われるので、裁判所は基本的に和解でまとめたいと考えます。
まず、合理性のある使い道は証拠がある限り認めて、証拠がなくとも証拠があるものから推して、このくらいは認めても相当だと心証を開示してくれます。
もちろん、当事者特に被告が全く返す意思がないときには、和解は無理ですが、被告の説明と書類の裏付けとで、裁判官もある程度の心証形成が可能なようです。
使い込みをした人の多くは、被相続人の預金通帳等を預かる立場にあった人ですから、全くの横領行為ではないことが普通なので、原告としてもある程度の譲歩をして、和解に応じるのが得策です。
2013-04-02|タグ: