小堀球美子のひとりごと
時流の変化について
私は、1998年に弁護士登録をしまして、その年に民事訴訟法の改正があって、修習生のころはちんたらと証人尋問をしていたのを見ていながら、弁護士デビューをして、集中証拠調べが採用されたなど、法曹会の変化にもそれなりに影響を受けていました。
昨今、性犯罪について、多く語られるようになりました。
私が修習生のときに見た強姦未遂事件では、その女性に落ち度があったかが量刑を決める要素の一つになっていました。刑事訴訟の裁判官が、我々修習生に、記録を読ませて、「この女性はきちんと自分で防衛していたよね。そうした女性に対しての犯罪は罪は重く・・・」という趣旨の話しをしていました。私は素直でしたから、「へーそういう考えもあるんだ」程度に思いましたが、そのころの法曹従事者の判断基準はやっぱり間違っていましたよね。
弁護士一年目に担当した事件で、W不倫の事件がありました。そのとき、相手方の先生が「そちらは和姦だって主張するの?」と言っていたことがあって、「和姦」なんじゃそりゃ。と思ったものでした。
最近少年に対する性加害が議論に上がっていますが、●ニーズ事務所の中で少年を相手にした性行為なんて、日本中が知っていましたよね。うわさレベルでしかとか、うすうすはとか言っていますが、国民全員が知っていました。
その風潮は、性加害の被害に遭うのは女性で、その中でも貞操のしっかりした女性だけを救済すればいいという考えが基本にあったからです。
時代が変われば、物事の評価も変わることは当たり前かもしれません。でも、まかり通っていた「当たり前」により多くの人が傷つけられたことは確かです。先日書いた教師の暴力についても言えることですが、ただ時代が変化したから仕方ないのではなく、きちんと検証することが必要だと思います。
2023-09-15|タグ: